木育(もくいく)とは

木育。あまり聞きなれない造語です。これは15年ほど前に使われるようになった言葉です。木を子どもの頃から身近に使っていくことを通じて、人と、森や木との関わりを主体的に考えられる豊かな心を育てたいという想いを「木育(もくいく)」という言葉にこめています。

単純に木を暮らしの中に取り入れるだけではなく、木材が森林や環境を管理され伐られているのかといったところを心にとめ木を使う。それが環境を守ることがつながるというものです。林野庁を先頭に展開される自然環境を守るプロジェクトですが、知育、徳育、体育の3つの側面を効果的に育む取り組みとのことです。

木の遊具や玩具などがまっさきに思い浮かびます。手でつくり、手で使う経験を通して養われる子どもたちが、木の事を考える大人に育つことを期待しているようです。

日本では林業が少なくなり国産の木材を供給する仕組みが根幹から揺るいでいるのは事実です。木が育つのにはかなりの年月がかかります。足りなくなってから考えていたら取り返しがつかないのもわかります。

木が身近な存在なのは今も昔もあまり変わりません。遊具が鉄製に変わったのもどうでしょう昭和の中ごろくらいからです。最近木製の遊具が増えてきているのもそんな側面があるからなのでしょうか。

それでも。木を子どもの頃から身近に使っていくことだけで、木材や森林の環境を守ることにつながるんでしょうか。林業が魅力的なビジネスとしてとらえられない事が現実的な問題です。魅力的であれば森林環境は整います。私たちがこどものとき、小学校でも木の生態や育てられ方などは授業で学びました。

仮に国産の木材の価値が非常にあがれば。林業をしたいという人は増えます。しかし、国内の消費者は値段の高騰から木をふんだんに使用するのをためらいます。木が無いと困りますから、安い外材を使用する流れになります。外国から買うんです。でも外国から安いものが大量に入ってこないように関税を国がかけます。結果どちらでも高い買い物になり木は使用されにくくなってしまいます。

日本の森の半分ぐらいは人口林。人が植林した森なんです。これは手入れをしないと材木にはなりません。放置された森はサイクルが狂い生育しにくくなっていきます。育てられ適正に材木として消費されまた植林されてのサイクルが大切なんです。だから値段が上がって使用されにくくなれば困ります。

間引きされた木が材として市場に出荷され、それがお金に変われば。ビジネス的にも成り立つよう変わってくるんでしょうか。木の遊具や玩具は一般的な玩具にくらべると高いと思います。自身の体験や子ども時代をふりかえってみて、個人的な見解ですが遊んでいたもの当時夢中になっていたものが今の僕のビジネスに役立っているとは思いません。

どちらかというと大人になりアウトドアなどに魅了された若い世代が、木や取り巻く環境に興味を持って林業に転身されるような話をよく聞きます。このあたりは農業に通じるところがありますね。

木に関わる市場と業界が活性化され、魅力的な仕事になれば。木を育てる環境も良くなっていくのでしょうね。


森bank's Ownd

野営を愛する全ての大人達へ。森bankはあなたの週末森暮らしを応援します。