苔(こけ)の魅力

原生林などでは小森日の下で苔むした緑の絨毯が広がっている、そんなイメージがあります。森の中で苔は名脇役として存在感のあるものです。一見、引き立て役のような苔ですが、実は森にとって大変に興味深い特徴と効果を持つ植物であることがわかっています。

苔とはシダや藻などの小さい植物を総称する場合もありますが、正式には生物の分類上「コケ植物門」に属するものを指します。苔は一般の植物と異なり、栄養や水分を運ぶ茎や根を持たず胞子で繁殖します。国内では約1,700種の苔が自生しています。

苔は非常に原始的な植物の形態をしており、4憶5千万年前に陸上に現れたといわれています。まだ地球上に今の草木があらわれるずっと昔のことです。いわば森の中でも先輩にあたるんですね。

苔は保水だけでなく蒸散の作用もあるため、大気の温度や湿度の調整が可能です。また、わずかな栄養で生育する苔は微生物に腐食されにくいので、吸収した二酸化炭素内の炭素を蓄積したまま地面に泥炭層を形成し、それが森の土となっています。

苔の貯水能力は土砂の流出・飛散の防止に役立ち、森の土が乾燥しないよう保護します。 体の表面から水や栄養縁類を吸収するコケは、土壌が発達していないような荒地や壁面でも生えることができ、傷ついた森を再生させる役割も持っています。

最近ではこの苔の魅力に目覚めた方々からなる苔愛好家もいらっしゃるようです。インテリアなどに苔玉などを取り入れた癒しの趣味としても人気があります。

日本庭園の苔は美しいです。瑞々しい柔らかな緑のカーペットは、芝生とはまた違った魅力があります。海外でも苔の美しさが理解されモスガーデンと呼ばれる庭が造られています。

落ち葉と同じく森を保水する能力によって素敵な森を支えている苔。森にお出かけの際は足元を少し注意してみてはいかがでしょうか。






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