森林組合は、林業を営む森林所有者が出資して設立した協同組合です。森林所有者の森林経営のために、経営指導、施業の受託、共同購入、林産物の加工・販売など、組合員が共同で利用する様々な事業を行っています。「森林組合法」と、いう法律に基づいて設立されています。
森林づくりは、半世紀から1世紀以上の年月と多くの労力を必要とします。林道・作業道の開設に始まり、地拵、植付、下刈、雪起し、枝打ち、除伐、間伐などの森林施業とこの間に発生する病虫獣害の防除、自然災害からの復旧などのプロセスを経て、やっと1人前の森林が出来上がります。
これらの林業に必要な業務のうち、近年植林や下刈や間伐など施業の受託事業を行うことが多くなっており、全国の施業受託面積(主伐除く)のうち、森林組合が行うものが5割以上を占めるなど、森林組合は日本の林業における森林整備の中心的な担い手となっています。
森林組合の歴史は古く1907年(明治40年)の森林法(第2次旧法)で初めて導入されました。当初は造林・施業・土木・保護と分野別に組合が築かれていました。
その後、日中戦争の戦時経済体制を作り上げるに際し、民有林における里山の早期伐採と奥地林での放置が、林産の非効率として問題視され、これをうけ政府は生産を合理化するために民有林施業案という政府計画を作成し、これを森林組合を通じて実施させることにしました。1939年(昭和14年)森林組合を設立できるよう森林法が改正され、町村単位の森林組合の設立が全国で進められていきました。
1951年(昭和26年)の森林法改正で、加入・脱退の自由と運営の自治を原則とする協同組合として、施設組合と生産組合の2種の森林組合を定め、現在に至ります。
近年では林業に関することのみではなく、林産物の高付加価値化や地域の就労の場の拡大を図るため、地域条件に応じて製材加工や住宅建築、シイタケの生産・販売、きのこ・山菜などの特用林産物の加工、森林レクリエーション事業などに取り組む森林組合も増加しており、森を守る多くの活動を展開しています。
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